この度、応用情報技術者試験に1発合格しました!
システムエンジニア等のIT業務に関わる人達が基本情報技術者試験を(FE)合格した後に受験を意識する資格が応用情報技術者試験(AP)ですね。
優秀な学生であれば、時間がある学生の内に既に取得をしている方もいるかもしれませんが、多くの方が忙しい社会人になってから初めて受検するのではないでしょうか。
私が新卒で入社したSIerでも、新入社員の内、応用情報技術者資格を取得していたのは、40人中2人だけでした。
入社してすぐの研修期間中や業務が定着する前のそれほど忙しくない時期に基本情報を取ったものの、応用情報を意識する頃には、忙しくて勉強する時間を取れないという方もいると思います。
そこで、社会人になってから応用情報技術者試験に『一発合格』した筆者が、日々の業務の傍らにどのように勉強したかをお伝えしていきます!
- 応用情報技術者試験に合格したい
- 仕事から家に帰ると参考書を読む気になれない
- 短期で集中して勉強するよりも毎日コツコツ少しずつ勉強するタイプ
筆者の経歴・スペック
個人的にこういった資格の取得に関する記事で気になるのが、筆者が何者かどうかです。
あまりにも高スペックで自分とかけ離れているような方が書いた記事ですと、同じ方法で合格することは難しいのではと思ってしまいますよね。
そこで、まずは私自身がどのような経歴を経て応用情報技術者試験に合格をしたかをお伝えしておきます。
興味がない方は読み飛ばしてしまってください!
- 中堅私立大学(文系)を卒業
- 卒業間際で世の中的にプログラミングが流行っていたので、なんとなくSIerに就職
- 入社後3か月の研修期間中に基本情報技術者試験合格
- SIerでプログラマー、SEとして、業務系アプリケーション開発に従事
- 目立った活躍もなく、自分の成長や業界への適正を感じられず、2年半の在職期間を以ておちこぼれ退職。
- 1年間フリーター(アルバイト)としてスニーカーを販売。副業として当ブログを開設。
- 中小商社の社内SEとして転職し、会社のIT全般の運用保守を広く浅く実施(現在2年目)
- 情報セキュリティマネジメント合格
- 応用情報技術者試験合格
以上が現在までの勉強や仕事に関して経歴ですが、いかがでしょうか。
偉そうに勉強方法を教えると言っている割に大した人間でなさそうなのが伝わりましたでしょうか(笑)
応用情報技術者試験の受験を尻込みしている方が、「この人が受かるなら自分も受かるかも」、「この記事で紹介する勉強方法は信ぴょう性があるかも」と思っていただけたら幸いです。
なお、経歴で注目する点を挙げるとしたら筆者は情報セキュリティマネジメントを取得していることと、社内SEをやっていることでしょうか。
情報セキュリティマネジメントの勉強を過去に実施しているため、午後試験で必須になる情報セキュリティに関して前提知識があることと、社内SEで浅く幅広い範囲の業務を行っていることでしょうか。
逆に言えば、突出して得意な分野が無いというのは、私の弱点かもしれませんね。
上記を参考にご自身の経歴と比較しながら勉強方法をチューニングしてみてください!
なお、合格したことを証明しておかないと、説得力がないので、念のため、以下に試験結果を示しておきます。(APを受ける人だとこういうのはいくらでも偽造できると知っている人が多そうですが、一応。。。
午後得点を見ていただくと分かる通り、60点合格試験を61点で合格をしておりますので、この記事は最短でギリギリ合格するの為の勉強方法と言えるかもしれません(笑)
なお、自己採点では、59点でしたので、合格発表までは正直落ちたつもりでいました。。。
応用情報技術者試験概要
私の実践した勉強方法の紹介の前に以下IPAのサイトを参考に応用情報技術者試験の概要をおさらいおきましょう。
受検対象者像
応用情報技術者の対象者像は以下の通りとなっております。
ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者
普段広く浅い業務を担当している私が、高度IT人材としての方向性を確立しているかには、甚だ疑問がありますが、応用的な知識・技能を持った高度なIT人材の1歩手前であることを証明するための試験のようです。
試験内容
午前と午後に分かれて実施される応用情報技術者試験の試験内容は以下の通りです。
午前
試験時間 | 150分 |
出題形式 | 多肢選択式(四者択一) |
出題数・回答数 | 出題数:80問 回答数:80問 |
出題範囲は以下の通りで、四者択一で幅広い分野から万遍なく、出題がされます。
- テクノロジ系
- マネジメント系
- ストラテジ系
午前問題の前半には、知識だけでなく、計算によって答えを導き出す問も出題がされ、真面目に解答をすると150分という試験時間が妥当ですが、問題の多くが過去問題から出題される為、多くの受検者がごく短い時間で回答を終了して試験時間の途中で退出します。
私も午前試験は途中退出しました。
なお、80問の内、6割を正答することが午前試験の合格条件となり、午前試験の時点で手応えが無かった場合は、その時点で帰る人もいるそうです。
午後
試験時間 | 150分 |
出題形式 | 記述式 |
出題数・回答数 | 出題数:11問 回答数:5問 |
基本情報技術者試験が午前/午後いずれも多肢選択式だったのに対して、応用情報技術者試験の午後問題は、記述式となっております。
また、出題は11問用意されている設問から、情報セキュリティの回答を必須とし、残り4問を選択して回答することになるのですが、筆者は以下の設問を選択しました。
その他の分野も含めた選択可能な設問は以下の通りです。
- 情報セキュリティ(必須) ★
- 経営戦略
- プログラミング
- システムアーキテクチャ ★
- ネットワーク ★
- データベース ★
- 組み込みシステム開発
- 情報システム開発 ★
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
- システム監査
★:筆者が選択した分野
午後試験は、記述式となることと過去問題から全く同じ問題が出題されないので、午前とは打って変わって150分という時間を以てしても回答時間が短く感じる内容となっています。
また、午後試験についても設問の6割に正答をする必要があり、合格点は60点となります。
150分間脳みそフル回転で帰りはクタクタでした。。。
難易度
資格の学校でおなじみのTACの以下サイトによると、応用情報技術者試験の合格率は20%前後とのことでした。
また、初学者が合格に必要な勉強時間が500時間ということで、私には、強がりにも簡単な試験とは言えません。
一方で、この勉強時間は、初学者を対象としており、受験者は基本情報技術者試験を取得していたり、業務経験がある方も多いので、私を含めてほとんどの方がこれほど勉強時間を掛けることはないでしょう。
正確に記録しながら勉強をしていたわけではないですが、上記の経歴の筆者の勉強時間は、1日1~3時間程度を3か月間で多く見積もって大体250時間といったところでしょうか。
数十時間で合格したみたいな記事よく見かけるけど、本当かな???
勉強時間はそれぞれの勉強スタイルや経験にもよって差が大きく出ますので、あくまで参考程度に考えておきましょう。
応用情報技術者試験の勉強方法
私が実施した応用情報技術者試験の勉強は大きく分けて以下の3つに大別されます。
- 基礎知識学習
- 午前問対策
- 午後問対策
上記についてそれぞれどのような勉強をしたかを紹介し、会社員として働きながらどんなルーティン、スケジュールで勉強したかをお伝えいたします。
基礎知識学習:忙しい社会人にはe-ラーニング!
まず、基礎知識学習ですが、忙しい社会人にはe-ラーニングによる動画学習がおすすめです!
学習スタイルによって向き不向きがあるかと思いますが、動画学習は仕事から帰って疲れて勉強する気が起こらない人には大変おすすめです!
仕事から帰ってからは参考書をペラペラめくるのも面倒くさいし、文章を能動的に目線を動かしながら読む体力もないので、動画を再生することで自動的に情報が耳と目から脳に送り込まれてくるのがありがたいです。
また、多くの動画学習サイトでは、再生スピードを変更ができる為、動画の2周目や既に理解が深まっている分野の学習には、再生数を2倍にするなどをすることで効率的に学習を進めることができます。
動画学習の教材としては、Udemyの石田宏実先生の「現役講師が教える【応用情報技術者試験 午前版】」を私は受講しました。
上記の講座は、基礎となる応用情報技術者試験全般の幅広い知識で、応用情報技術者試験合格に必要な情報が十分に詰まっておりますので、良教材として参考までにお伝えしておきます。
講座の内容は、基本情報技術者試験の知識を有していることをある程度前提としていますが、私は、参考書を購入することなく、合格することができましたので、講座の情報量としては十分と言えます。
e-ラーニングは参考書と比べると費用が高い傾向があるのが難点ですが、参考書を購入しても読むのが億劫で勉強をせずに何度も受験をしていては、受験費用がバカになりません。
効率の良い勉強方法で1発合格を目指した方が実はコストパフォーマンスが良いので、動画学習も視野に入れてみることをおすすめします。
午前問対策:とにかく過去問道場
基本情報技術者試験を受験したことがある方であれば、分かる方も多いかもしれませんが、応用情報技術者試験の午前問題は、過去の試験問題からそのまま多数出題されます。
特に午前問題に関しては、応用情報技術者試験ドットコムの過去問道場を利用すれば、無料で解説付きで問題を解くことができるので、過去問を購入する必要はありません。
私が過去に基本情報技術者試験を受けたときよりも今はサイトそのものが使いやすくなっていたりするので、紙の問題集を使うよりも断然効率的に勉強をすることができます。
午前問題への取り組み方としては、午前問題は、選択肢も過去問の使いまわしであることが多いので、問題と回答をセットで何も考えずに覚えてしまう問題があっても大丈夫です。
もちろん、全ての問題に対して解説を理解して問題を解いていくことが理想ですが、幅広い出題範囲の中で1つずつ内容を咀嚼しながら勉強をしていては、効率がとても悪いです。
私の場合は、計算が必要な問題が苦手なので、その辺りは、ほとんど問題と答えを丸暗記していました。
一方で、基本情報技術者試験よりも過去問以外からの出題数は増える為、すべて丸暗記で合格ができるほど甘くありません。
そのため、「時間を掛けなくても解説を理解できそうな問題」と「午後問で選択する分野の問題」は積極的に解説を読み解き、午前問の正答率を上げると共に、午後問の対策を同時に実施していました。
上記の通りの午前問題を実施し、午前問題は過去問道場で常に80%近く取れるようになるまで勉強をしていました。
午後問対策:過去問を解いて解説を理解する
午後問題は、午前とは比べ物にならないくらい合格点を取得する為の難易度が上がるため、過去問を解いて解説を理解することは避けられません。
午後問題は、ただでさえ問題文が長いため、問題を解いて、解説を理解できるまで読むほどの体力は仕事から帰った後の私にはありませんでした。
そのため、午後の解説についてもを動画学習を活用しました。
同じく、Udemyの石田宏実先生の「現役講師が教える【応用情報技術者試験 午後版】」は、直近過去数年分の午後問題解説がコンテンツに含まれていますので、こちらもまた、何とか午後問題を解いた後は動画を眺めて、省エネで解説を理解するようにしました。
午前問対策として紹介した過去問道場にも午後問題があるので、基本的には午後問対策にも過去問をわざわざ購入をする必要はないかと思います。
しかし、午後問の問題文はそれぞれが長い上、試験時間が文章の長さに対して短い為、短い時間で問題文を理解する必要があります。
そのため、午後の問題文を読む際には、ポイントとなる文章に線を引いたり、要約、図を書き込みながら読み進めることが午後問突破のセオリーとなります。
また、試験本番は記述問題を回答用紙に直接回答を記入する必要があるので、書き間違えれば書き直しをする必要がああります。
試験内容上、タイピングで速く文字を打つことが多い人が多いでしょうが、実際に紙書いて過去問を解いてみると、回答に掛かる時間が意外に違ったりもします。
なので、何度かは問題文を印刷して本番さながらの状況で回答をしてみるようにしましょう。
とはいえ、仕事の後などに毎回紙に書いて回答をすると、疲れて勉強が継続できなくなるので、休日等の時間があるときだけでいいでしょう。
ちなみに、午後問の問題の選択について、当日、問題を見て簡単そうな問題を選べるように、自由選択問題4問 + 1問勉強しておくことをオススメする記事がよくあります。
しかし、私もそれに倣って勉強しましたが、私は当日に問題を確認して選ぶ程の余裕はありませんでしたので、自由選択問題4問は決め打ちをしてしまった方が良いと思います。
解かない問題に目を通してる時間はねえ!
本当ならば、午後問題は安定して70%の正答率が取れるようにしておきたかったのですが、本番直前まで正答率は60%前後というところで、かなりギリギリの状態での受験となってしまいました。
とはいえ、本番の午後試験では午前と違い部分点があるので、私のように自己採点が59点であったとしても、60点を超えて合格することがあるので、過去問で安定して正答率60%が取れていれば、合格圏内にいる可能性が高いでしょう。
勉強スケジュール&ルーティン
続いて、上記の勉強方法をどのようなスケジュール&ルーティンで実施したかを紹介します。
上記で紹介したUdemyの動画講座の購入履歴を調べてみたところ、「現役講師が教える【応用情報技術者試験 午前版】」の購入日が「2023/01/23」でしたので、応用情報技術者試験の勉強を始めたのは、大体そのぐらいの時期のようです。
試験日は「2023/04/17」でしたので、約3か月の勉強期間を経て、応用情報技術者試験を受験したことになりますね。
また、「現役講師が教える【応用情報技術者試験 午後版】」は「2023/02/23」に購入をしましたので、私の場合、勉強を開始してから受検までの3か月の内、1か月間は午前問対策、2か月間は午後問対策を中心に実施していたことになりますね。
とはいえ、後半2か月の間、午後問対策だけを実施していると、折角覚えた午前問題を忘れてしまいますので、日々過去問道場で午前問題は解くようにしていました。
勉強スケジュール
上記の勉強の軌跡が分かる購入履歴から、私の応用情報技術者試験の勉強スケジュールはざっくりお伝えすると以下の通りであったことが分かります。
1か月目:基礎知識学習&午前問対策
2、3か月目:午前問対策&午後問対策
なお、2、3か月目であっても午後問題を解いている中で理解が浅いと感じる知識があれば、基礎知識学習に戻って復習をすることもありました。
勉強ルーティン
応用情報技術者試験の勉強スケジュールの概要をお伝えしたところで、日々どのように勉強をこなしていたかを紹介いたします。
まず、基礎知識学習と午前問題対策を重点的に実施していた1か月目は以下のようなルーティンで勉強をしていました。
平日:基礎知識学習1~2時間、午前問題50問
休日:基礎知識学習3~4時間、午前問題50問
午前問題対策は、無理の無い範囲で、毎日50問(約30分程度)ずつ解くようにして、最初の1か月はとにかく基礎知識のインプットを集中的に実施しました。
続いて午後問題対策を開始した2か月目からの学習ルーティンは以下の通りです。
平日:午後問題3問、午前問題50問
休日:基礎知識学習1~2時間、午後問題3問、午前問題50問
※必要に応じて基礎知識学習に戻って、理解が不足している分野の復習
1か月目と比べてイージーに感じるかもしれませんが、午後問題は、午前問題のように勘や記憶を頼りにすることはできない為、問題を解いては解説を読み込んだり、解説動画を見たり、時には基礎学習に戻って勉強をし直したりしたりと、少ない問題数に対して、密度の濃い勉強をしていました。
また、私は上記の通り、午後問対策用の講座をUdemyで受講をしておりましたので、そちらで午後用の少しレベルを上げた基礎知識学習も行っておりましたので、休日等の時間がある日には、そちらも平行して行っておりました。
午後問題対策については、決して問題を解きっぱなしにして終わるのではなく、理解ができるまで解説を読み解くようにしましょう!
過去問道場の達成度:午前問題
勉強量の目安として、過去問道場でどれだけの問題を解いたか、正答したかを表す、達成度を参考までに載せておきます。
午前問題の過去問道場の達成度は47%、2023年7月現在で2880問中1360問に回答をしました。
金のトロフィーがついている問題は直前2回が正解した問題なのですが、確か17回分(8.5年分)の過去問を2、3周した記憶があります。
上記の勉強ルーティンの通り、1日50問ずつ3か月間実施すれば、単純計算で4500問に回答ができる計算になりますので、大体同じ程度の達成度になりますね。
過去問道場の達成度:午後問題
午後問題の達成度は、26.8%で、2023年7月現在、全317問中85問に回答しています。
受検する分野を選択するため、達成度は低く見えますね。
しかし、以下のように分野別見てみると、14回分の過去問に回答しており、いくつかは複数回に及んで回答しており、数えてみるとネットワーク分野だけで20回分実施していることになります。
私の場合は、必須の情報セキュリティ + 自由選択問題5問に絞って勉強をしていたので、単純計算で約120回分の問に答えたことになります。(実際はもっと少ないですが)
もちろん、紙に印刷をして回答をした回もありましたが、2か月で上記のルーティン通りに勉強していれば、180回分実施できる計算になりますので、実際には勉強をサボった日がありそうですね。。。
とはいえ、問題を解くよりも知識の理解度を上げる為に基本知識学習を重点的に実施する日もありました。
ルーティンにこだわりすぎず、その時の自分に必要な勉強を臨機応変に実施することも大切です!
まとめと振り返り
長くなりましたが、私が応用情報技術者試験に合格する為に実施した勉強方法を紹介させていただきました。
上で紹介した経歴からも分かる通り、突出した学歴や経験がなくても、しっかりと勉強をすれば合格することができる資格であると思っていただき、皆さんのモチベーションにつながれば幸いです。
とはいえ、合格の為に必要な勉強量は経験や知識レベルの違いによって異なりますので、ご自身の経歴を鑑みた上で、自分に合った学習スケジュールを考える必要があることは理解をしておきましょう。
私の応用情報技術者試験の勉強を振り返って反省点を挙げると、本番の想定が甘く、午後の選択問題を問題文を読んで選ぶ時間がなかったことでした。
勉強時間に余裕があれば、問題文を読んでから解く問題を選べるレベルにしておくことも戦略の1つになるかと思いますが、勉強時間をあまり取れないのであれば、はじめから受検する問題を絞っておくことも選択肢になると思いますので、皆さんもどのような戦略で当日受検するのかを想定した上で勉強の計画を立てましょう。
この記事の中で動画学習としてUdemyをおすすめしていたのですが、私がこのサービスを利用するのは、実は応用情報技術者試験の勉強が始めてでした。
勉強方法の中でもお伝えをしていますが、動画学習は紙の参考書のようにページをめくったりせずとも、動画と音声で勝手に情報がインプットされるので、日々の仕事に疲れた社会人にはおすすめの勉強方法です。
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