この度、情報処理安全確保支援士試験に1発合格しました!
セキュリティエンジニアを始め、システム開発やネットワークエンジニア等、セキュリティを意識してITに関わる業務に従事する方が取得を意識する資格が情報処理安全確保支援士(SC)ですね。
情報処理安全確保支援士はIPA(情報処理推進機構)の試験の中でも高度試験に位置し、基本情報(FE)、応用情報(AP)を取得した後に勉強を始める方が多いのではないでしょうか?
IPAの情報処理資格を学生の内から取得している人は少なく、処理安全確保支援士の勉強を始めようと思っても、忙しくて勉強する時間を取れないという方もいると思います。
そこで、社会人になってから筆者が情報処理安全確保支援士に『一発合格』した筆者が、日々の業務の傍らにどのように勉強したかをお伝えしていきます!
- 情報処理安全確保支援士試験に合格したい
- 仕事の後にできるだけ参考書を読みたくない
- 短期で集中して勉強するよりも毎日コツコツ少しずつ勉強するタイプ
筆者の経歴・スペック
個人的にこういった資格の取得に関する記事で気になるのが、筆者が何者かどうかです。
あまりにも高スペックで自分とかけ離れているような方が書いた記事ですと、同じ方法で合格することは難しいのではと思ってしまいますよね。
そこで、まずは私自身がどのような経歴を経て応用情報技術者試験に合格をしたかをお伝えしておきます。
興味がない方は読み飛ばしてしまってください!
- 中堅私立大学(文系)を卒業
- 卒業間際で世の中的にプログラミングが流行っていたので、なんとなくSIerに就職
- 入社後3か月の研修期間中に基本情報技術者試験合格
- SIerでプログラマー、SEとして、業務系アプリケーション開発に従事
- 目立った活躍もなく、自分の成長や業界への適正を感じられず、2年半の在職期間を以ておちこぼれ退職。
- 1年間フリーター(アルバイト)としてスニーカーを販売。副業として当ブログを開設。
- 中小商社の社内SEとして転職し、会社のIT全般の運用保守を広く浅く実施(約2年間在籍)
- 情報セキュリティマネジメント合格
- 応用情報技術者試験合格
- セキュリティエンジニアとして再びIT企業に転職
- 情報処置安全確保支援士試験合格
以上が現在までの勉強や仕事に関して経歴ですが、いかがでしょうか。
偉そうに勉強方法を教えると言っている割に大した人間でなさそうなのが伝わりましたでしょうか(笑)
情報処理安全確保支援士の受験を尻込みしている方が、「この人が受かるなら自分も受かるかも」、「この記事で紹介する勉強方法は信ぴょう性があるかも」と思っていただけたら幸いです。
なお、経歴で注目する点を挙げるとしたら筆者は情報セキュリティマネジメントを取得していることと、社内SEを経験していたことでしょうか。
情報セキュリティマネジメントの勉強を過去に実施しているため、情報セキュリティに関して前提知識があることと、社内SEで浅く幅広い範囲の業務を行っていることでしょうか。
逆に言えば、突出して得意な分野が無いというのは、私の弱点かもしれませんね。
上記を参考にご自身の経歴と比較しながら勉強方法をチューニングしてみてください!
なお、合格したことを証明しておかないと、説得力がないので、念のため、以下に試験結果を示しておきます。(こういうのはいくらでも偽造できると知っている人が多そうですが、一応。。。
午前も午後も得点を見ていただくと分かる通り、60点合格試験をギリギリで合格をしておりますので、この記事は最短でギリギリ合格するの為の勉強方法と言えるかもしれません(笑)
なお、午後の自己採点では、甘く採点しても合格点に達していなかったので、合格発表までは正直落ちたつもりでいました。。。
情報処理安全確保支援士試験概要
私の実践した勉強方法の紹介の前に以下IPAのサイトを参考に情報処理安全確保支援士試験の概要をおさらいおきましょう。
受検対象者像
応用情報技術者の対象者像は以下の通りとなっております。
サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能を活用して企業や組織における安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援し、また、サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価を行い、その結果に基づき必要な指導・助言を行う者
私が実際に普段の業務でサイバーセキュリティに関して、他社に指導や助言ができるかは自信がありませんが、サイバーセキュリティに関して他社を支援、分析、指導ができる程の専門的な知識を有していることを証明する資格のようです。
試験内容
午前Ⅰ・午前Ⅱと午後に分かれて実施される情報処理安全確保支援士試験の試験内容は以下の通りです。
午前Ⅰ
試験時間 | 50分 |
出題形式 | 多肢選択式(四者択一) |
出題数・回答数 | 出題数:30問 回答数:30問 |
出題範囲は以下の通りで、四者択一で幅広い分野から万遍なく、出題がされます。
- テクノロジ系
- マネジメント系
- ストラテジ系
応用情報の午前試験と同じような内容が出題され、問題の多くが過去問題から出題される為、多くの受検者がごく短い時間で回答を終了する方が多いです。
応用情報技術者試験では、午前の受験は必須ですが、情報処理安全確保支援士試験を含む、高度試験受験者の中で、以下にいずれかの条件を満たしたその後の2年間は、午前Ⅰ試験の受験は免除されます。
- 応用情報技術者試験(AP)に合格
- 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験のいずれかに合格
- 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績をとる
私は1年前に応用情報処理技術者試験に合格していたので、午前Ⅰ試験は免除されていました。
もし、応用情報技術者試験に合格してから受験をしようと思っている方は、過去に応用情報の勉強方法についても紹介していますので、参考にしてみてください。
(参考:応用情報技術者試験の勉強方法)
午前Ⅱ
試験時間 | 40分 |
出題形式 | 多肢選択式(四者択一) |
出題数・回答数 | 出題数:25問 回答数:25問 |
出題範囲はセキュリティを中心にして以下の分野が出題されます。
分野 | 大分類 | 中分類 |
---|---|---|
テクノロジ系 | 技術要素 | データベース |
ネットワーク★ | ||
セキュリティ★ | ||
開発技術 | システム開発技術 | |
ソフトウェア開発管理技術 | ||
マネジメント系 | サービスマネジメント | サービスマネジメント |
システム監査 |
参考:試験要綱・シラバスについて
午前Ⅰと同様に、問題の多くが過去問題から出題されます。
一方、過去問以外からの出題やそもそもの問題の難易度が高い問題が出題されたりするので、油断をしていると私がギリギリで突破したように足元をすくわれます。
また、午前Ⅰのように受験が免除される制度があり、IPAの定めた情報セキュリティに関連した学科の修了から2年間は午前Ⅱ試験の受験を免除されます。
(参考:午前Ⅱ試験免除制度 情報処理安全確保支援士試験(SC))
午後
試験時間 | 150分 |
出題形式 | 記述式 |
出題数・回答数 | 出題数:4問 回答数:2問 |
情報処理安全確保支援士の午後問題は、記述式となっております。
午後問題で出題される範囲は以下です。
- 情報セキュリティマネジメントの推進又は支援に関すること
- 情報システムの企画・設計・開発・運用におけるセキュリティ確保の推進又は支援に関すること
- 情報及び情報システムの利用におけるセキュリティ対策の適用の推進又は支援に関すること
- 情報セキュリティインシデント管理の推進又は支援に関すること
詳細はシラバスを参照:試験要綱・シラバスについて
筆者のような文系出身のエンジニアにとって、上記リストの情報システムの企画・設計・開発・運用におけるセキュリティに関する分野は苦手な人多いかもしれませんが、私が受検した年は容赦なく選択問題の内3/4問が開発に関するものだったりしたので、あまり勉強の範囲を運用の範囲に絞らない方がよいでしょう。
また、午後試験は、記述式となることと過去問題から全く同じ問題が出題されないので、午前とは打って変わって150分という時間を以てしても回答時間が短く感じる内容となっています。
また、午後試験についても設問の6割に正答をする必要があり、合格点は60点となります。
苦手分野を選択する必要があり、全く合格した気がしませんでした。。。
難易度
資格の学校でおなじみのTACの以下サイトによると、情報処理安全確保支援士の合格率は20%前後とのことでした。
また、初学者が合格に必要な勉強時間が600時間ということで、私には、強がりにも簡単な試験とは言えません。
一方で、この勉強時間は、初学者を対象としており、受験者は基本情報技術者試験を取得していたり、業務経験がある方も多いので、私を含めてほとんどの方がこれほど勉強時間を掛けることはないでしょう。
なお、応用情報技術者試験合格レベルの方であれば、100~200時間程度の勉強時間が目安とのことでした。
正確に記録しながら勉強をしていたわけではないですが、上記の経歴の筆者の勉強時間は、1日2時間程度を5か月間で多く見積もって大体300時間といったところでしょうか。
IPAの情報処理試験の最高難易度レベル4は伊達じゃない!
勉強時間はそれぞれの勉強スタイルや経験にもよって差が大きく出ますので、あくまで参考程度に考えておきましょう。
情報処理安全確保支援士試験の勉強方法
私が実施した応用情報技術者試験の勉強は大きく分けて以下の3つに大別されます。
- 基礎知識学習
- 午前問対策
- 午後問対策
上記についてそれぞれどのような勉強をしたかを紹介し、会社員として働きながらどんなルーティン、スケジュールで勉強したかをお伝えいたします。
基礎知識学習:忙しい社会人はYouTubeを活用!
まず、基礎知識学習ですが、忙しい社会人には動画学習がおすすめです!
学習スタイルによって向き不向きがあるかと思いますが、動画学習は仕事から帰って疲れて勉強する気が起こらない人には大変おすすめです!
仕事から帰ってからは参考書をペラペラめくるのも面倒くさいし、文章を能動的に目線を動かしながら読む体力もないので、動画を再生することで自動的に情報が耳と目から脳に送り込まれてくるのがありがたいです。
私が参考にさせていただいていたYouTubeチャンネルは以下の「まさるの勉強部屋」で、情報処理安全確保支援士試験に頻出するキーワードを幅広く解説してくれます。
自宅だけでなく、通勤の移動時間等にも勉強できるのが嬉しいですね。
とはいえ、YouTube内で解説されるキーワードだけでは、出題範囲を網羅するには難しいので、私は以下の参考書を併せて使っていました。
参考書をパラパラとめくって、知識の幅を広げ、YouTubeを使って理解を深める勉強方法が筆者のおすすめです。
私は、上記の参考書全体を2回読み込み、理解が浅いと感じたテーマに付箋を付けて3回目はその部分を重点的に復習しました。
午前問対策:とにかく過去問道場
基本情報技術者試験や応用情報技術者試験を受験したことがある方であれば、分かる方も多いかもしれませんが、情報処理安全確保支援士の午前問題は、過去の試験問題からそのまま多数出題されます。
午前Ⅰの出題範囲は応用情報と同じで、午前Ⅱはセキュリティ分野に重点を置いた出題となるため、IPAの情報処理試験を受験したことある方にはお馴染みの以下それぞれの過去問道場で勉強するとよいでしょう。
試験 | 過去問道場サイト |
---|---|
午前Ⅰ | 応用情報技術者試験ドットコム |
午前Ⅱ | 情報処理安全確保支援士ドットコム |
午前問題に関しては、過去問道場を利用すれば、無料で解説付きで問題を解くことができるので、過去問を購入する必要はありません。
午前問題への取り組み方としては、午前問題は、選択肢も過去問の使いまわしであることが多いので、問題と回答をセットで何も考えずに覚えてしまう問題があっても大丈夫です。
もちろん、全ての問題に対して解説を理解して問題を解いていくことが理想ですが、幅広い出題範囲の中で1つずつ内容を咀嚼しながら勉強をしていては、効率がとても悪いです。
私の場合は、計算が必要な問題が苦手なので、その辺りは、ほとんど問題と答えを丸暗記していました。
一方で、情報処理安全確保支援士試験では、過去問以外からの出題数は増える為、すべて丸暗記で合格ができるほど甘くありません。
そのため、「時間を掛けなくても解説を理解できそうな問題」と「午後問で選択する分野の問題」は積極的に解説を読み解き、午前問の正答率を上げると共に、午後問の対策を同時に実施していました。
下記の通りの午前問題を実施し、午前問題は過去問道場で常に80%近く取れるようになるまで勉強をしていました。
午後問対策:過去問を解いてe-ラーニングで解説を理解する
午後問題は、午前とは比べ物にならないくらい合格点を取得する為の難易度が上がるため、過去問を解いて解説を理解することは避けられません。
午後問題は、ただでさえ問題文が長いため、問題を解いて、解説を理解できるまで読むほどの体力は仕事から帰った後の私にはありませんでした。
そのため、午後の解説についても動画学習を活用しました。
午後問題では私はUdemyを活用して以下の講座を受講して勉強をしました。
講座名 | 講師名 | 講座の印象 |
---|---|---|
【令和4年春版】受験前の総仕上げに最適!「情報処理安全確保支援士試験:過去問題演習」 | 瀬戸 美月 | 過去問を国語の問題を解くように解説 |
【令和5年春・秋】情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)の午後過去問をわかりやすく解説! | 櫻庭 裕太郎 | 過去問を情報セキュリティの知識を基に解説 |
【直前対策・総仕上げ】情報処理安全確保支援士(セキスペ)の午後過去問のポイントまとめ!! | 櫻庭 裕太郎 | 試験直前に出題傾向から予測を立て、ポイントを解説 |
残念ながら高度情報処理試験の過去問解説はあまり多くないので、私は以下の問題集も使っていました。
Udemyに解説がない過去問については、上の問題集の解説で理解を深めました。
とはいえ、問題集では、午後問題は記述式で自分の回答が実際にどれほどの点数になるかは正確には分からないのが実情で、私の場合は開発系の問題を解かなければ60点を超えられるかと言ったところでした。
しかし、本番の午後試験では午前と違い部分点があるので、私のように自己採点が合格点未満であったとしても、60点を超えて合格することがあるので、過去問時点で合格点近く取れていれば、合格圏内にいる可能性が高いでしょう。
まとめと振り返り
私が情報処理安全確保支援士に合格する為に実施した勉強方法を紹介させていただきました。
試験を受験したのが4月でその直近2月にセキュリティエンジニアとして転職をしていたので、この支援士の合格は私にとってとても嬉しいものでした!
冒頭で紹介した経歴からも分かる通り、突出した学歴や経験がなくても、しっかりと勉強をすれば合格することができる資格であると思っていただき、皆さんのモチベーションにつながれば幸いです。
とはいえ、合格の為に必要な勉強量は経験や知識レベルの違いによって異なりますので、ご自身の経歴を鑑みた上で、自分に合った学習スケジュールを考える必要があることは理解をしておきましょう。
私の応用情報技術者試験の勉強を振り返って反省点を挙げると、午前Ⅱの結果が思いのほか低く、基礎知識の習得がまだまだでした。
また、本番の想定が甘く、開発に関するセキュアプログラミングに関する問題に関して苦手意識があり、対策を怠っていたことで、試験問題として解かなくてはいけなくなったことで、自分の回答結果に全く自信が持てませんでした。
セキュリティエンジニアとして転職をしたので、今後も知識を深めていく必要があるので、今回の合格で満足せずに精進していかなくてはいけませんね。。。
なお、この記事の中で動画学習としてUdemyをおすすめしてきましたが、応用情報技術者試験の勉強でも活用をしていて、動画学習は紙の参考書のようにページをめくったりせずとも、動画と音声で勝手に情報がインプットされるので、日々の仕事に疲れた社会人にはおすすめの勉強方法です!
私自信、今後とも動画を活用した学習を進めていくつもりですので、ぜひ一緒に頑張りましょう!
コメント